Bow hut

 バンフから車で1時間程の場所にボウレイクという湖がある。

 湖の水源は氷河。湖のほとりから対岸の山を見上げると真っ白だ。この真っ白な部分は雪ではなくて氷河、つまり全部氷。山の上は巨大な氷の湖になっいる。

 この氷河をワプタ・アイスフィールドと呼ぶ。カナダの登山界では古くから親しまれてきた、このアイスフィールドには、カナダ山岳協会が管理する無人の山小屋が幾つもある。

 今回はその山小屋を利用してパウダーライディング!

 

 ロッキーも、5月を迎えれば、さすがにパウダーにはなかなか当たらない。氷河の上に行けばまだ雪があるだろうということで、出かけたが、結構手間がかかるので注意。

 上の写真を見ていよう。右上が国立公園の入場券(1日6ドル)、右上が、バックカントリー宿泊許可書(1年パスで40ドルぐらい、覚えてない。)、下の紙がバックカントリー宿泊登録書(無料)。

 これらをそろえてからカナダ山岳協会に電話して、山小屋代28ドルを払う。そうすると、山小屋入り口の鍵の番号が教えてもらえる。はっきり言って日本よりメンドクセー。

 お昼頃、ボウレイクを山小屋に向けて出発。湖はよく凍っていて、不安は無い。山小屋は大人気で、幾つものスキートラックが湖の奥へと消えていた。ちなみに山小屋の名前はボウ・ハット

 湖を過ぎると、狭い渓谷に突き当たる。その渓谷は左から丘に登り迂回。しばらく歩くと、もう一つの渓谷に突き当たる。それが右上の写真。

 上から来た雪に埋まって死んだ人もけっこう居ます、とガイドブックに書いてあった。しかもこの日はアバランチハザード超ハイ。出来る限りダッシュ!ヘトヘトになる

 死にそうになりながら、キャニオンを抜けると、一気に景色が開ける。森林限界線を越え、アルパインゾーンに入る。そして目の前には巨大な氷河が!

 この先が2番目の難所。この氷河の真下を通るのだが、氷河は、川なので当然動いている。ということで、左の写真の氷も時折落ちてくる。

 雪崩学入門のカナダ版である、アバランチ・セーフティーという本の表紙の写真はまさに左の写真と同じ場所から取られたもの。その表紙の写真では、氷河からセラックが落ちてボールの底が雪崩の噴煙でいっぱいになっている。

 慎重に・・・と言いたいところだが、はっきり言って運なので、出来るだけ早く通り過ぎるしかない。氷河が近づいてくると、僕らは足を早めた。

 そして、最後の登り。氷河とほぼ同じ高さまで、急な坂を登ると、そこに山小屋があるはずだ。なまじ、もうすぐだ、と思っているので、登っても登っても、山小屋が見えない。

 山小屋が見えた時には「おんぶしてくれー」などと叫んでいた。車からたった3時間半。情けない・・・


 山小屋の入り口はダイアル式のロックがついている。番号を忘れたら大変だ。仲間から袋叩き間違いなし。今回はガイド付のツアーが先に入っていたので、鍵は開いていた。

 見た目ははっきり言ってプレハブみたいだが、中は快適そのもの。下手なユースホステルより快適である。 全ての燃料はガスと薪。水は雪を溶かせば、いくらでもある。トイレも水洗ではないが、清潔そのもの。この山小屋は大きく分けて、2つのセクションに分かれる。寝室と調理場兼リビング。寝室は2段ベットのドミトリー。ぼくらはすばやく寝床を確保。晩御飯の準備にかかる。

 晩御飯はステーキ。山に行ったらからといって、質素な食事にする必要は全く無い。贅沢にやりましょう。これが山小屋のいいところ。俺なんか、ビール6本持っていきましたからね。重かったー。

 

 ガス灯の下、薪ストーブの炎を楽しんでいると、今夜のお供、山岳ガイドが、ちょっとお願いがあるので聞いて欲しいとの事。

 「ここには、すっごいでっかいねずみが住んでいます。寝るときには必ず。寝室のドアを閉めてください。さもないと、寝袋をかじられますから。ウサギぐらいありますから、頭かじられるかもよ。」

 はーい、分かりました。ということで、トイレに行くと、床にねずみとりが・・・しかも特大の奴。

 早速、チーズを仕掛ける。でも、ディズニー映画に出て来そうな、クラッシックな仕掛けで捕まるなら、もうとっくに捕まってるよな。と思っていると・・・・

 「ガチャ―ン!!!!!!」

 急いで見に行くと右のとおり。で・か・い!


 朝、強烈な光で目がさめた。窓の外を見るとやっばい程のドッピーカン。

 ラーメンの朝食を取る。しかし、何で日本人の山の朝食はラーメンが多いのだろうか?と、勝手に一人で、日本人の謎に迫ってみた。ほんとに日本人朝食ラーメン好き。と言いつつ、おいらもラーメン。ラーメン万歳。白人が近くに居るとズルズルーっと音を立てて食えないのが残念。小心者の俺。

 山小屋から少し行ったところで、氷河に上がることが出来る。氷河にはクレバスがあるので、ロープアップ。慎重に越したことは無いし、見た目かっこいい。なんとなくホンカクテキー!と喜んでるおいらは子供?

 上の写真はすでに氷河の上。きれいな山の名前はセント・ニコラス。

 セント・ニコラスの麓までくると大氷原が何処までも続く。この雪原に下は全て氷。山小屋の周りの雪は春の雪だったが、ここまで来るとエクセレント・パウダー!おいしそうな斜面を探す。

 セントニコラスの後ろを回り、回りが見渡せそうな丘に登る。ワプタ大氷原のほぼ全てが見渡せた。山小屋に続く斜面が眼下に飛び込んできた。斜度、広さ、雪質、完璧だ。僕らは急いで、その斜面をめざした。

 斜面に近いところで、他のパーティーに会う。彼らも僕らと同じ斜面を目指しているようだ。ファーストトラックを取られてしまう、と急いだが、時すでに遅し、真っ白の斜面にスキーの跡が刻まれていった。

 あっという間の出来事に漠然としたが、気を取り直して、左上の写真の斜面にドロップ・イン。そして山小屋まで一気に滑りぬける。距離の長いこと長いこと。そして、全部オープンバーンのパウダー。ヘリスキーいらねーって、ヘリ乗ったことないけど・・・とにかく最高でした。

 山小屋で寝袋などを回収し、下山。充実の1泊2日でした。

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