「ワイングラスみたいな。ところがあるよな、ボウサミットに。」
「ああ、あれか。あれは一度滑ってみたいね。」
 ワイングラスと言っただけで何処かわかってくれるのが嬉しい。バンフ在住の方、見つけて下さい。

Wine Glass
Text by Kenji Inageda

 レイクルイーズからアイスフィールドパークウェイを約30分ほど北上すると、ボウサミットと呼ばれる峠がある。テレマークのスロープとしては昔から有名なこの峠。ここからワイングラスのようなスノーパッチが見える。

  ボウサミットの頂上付近にある駐車場に車をとめる。
  ここは既に、標高2069メートル。森林限界線ギリギリである。標高が高い為、ほんの少しハイクアップするだけで、深雪のオープンスロープにたどり着くことができる、このあたりでは一番人気のバックカントリースロープだ。
 人気が高いのと、長い間晴れが続いた為、この日、目の前にあるスロープはまるでゲレンデのごとくボコボコになっていた。
 僕らの目指すのはもちろんこんな美味しくない斜面ではない。駐車場からはるか北に見える。写真にあるワイグラスのような形をしたシュートである。
 今回はいつものメンバー。カザとアツシそして僕の3人自称「SHOOTERS」そのうちTOLOCOでも特集する!楽しみにしてくれ。
 スタートは10:50。遅い!シュートの入口付近まで約1時間歩いてとりあえずメシ。腹が減っては何とやらだ。これから滑るシュートを見上げてのメシは美味かった。
 メシが終わったら、シュート直下に移動し、ピットを掘る。シェアリングテストの結果は上出来だった。
 それではということで早速登ることにするが、ここは斜度がハンパじゃない。転がったらただではすまないので、クランポンを装着し、ハーネスをつけ、ロープアップしていった。
 カザが先頭。3人の中では一番酸素が足りない人だが、最近は慣れてきたのか、息切れが激しくない。とは言っても雪が深かったの1歩一歩のキックはきつそうだった。それにくらべて後続の2人の楽なこと楽なこと。カザが作った階段を上がっていくだけだった。
 1時間ほどでシュートの真中へ。思ったよりも早い。徐々に狭くなっていくシュートの両側には、きれいな氷の滝が幾つも流れを止めていた。
 徐々に狭くなるシュートは遂に幅3メートルほどになり、カザが「うおー!」と叫ぶと目の前には巨大なボールが広がっていた。遂にグラスの中に到着である。
 ここで2オプション。このボールも登るか否か。この日は出発が遅かったので止めておいた。
 いつもの儀式が始まった。滑る順番を決めるジャンケンである。運も実力のうちと言いたい所だが、シュートのブレイクを全部やってくれたカザに敢闘賞。彼に本日ファースト・ディセントのプレゼントが渡されることになった。
 シュートの頂上でカザの息が荒い。そして板を縦に、ゆっくりとスノーボードのノーズがシュートに吸い込まれていく。一回目のターンで大きなスルフが起きる。大量の雪とともに落ちていく彼はかっこよかった。オレが女だった抱かれてもいいぜ!
 次、アツシ。斜度があるところは雪がつきにくく浅い。(最大斜度50度。でも、あくまで最大である)一人滑ったら、下地の岩がむき出しになっている所もあるので慎重にラインを選ぶ。ちなみに右の写真はアツシである。
 最後に僕。頑張りました。
 結局「SHOOTERS」全員無事。1人ぐらいド頭叩き割った方が盛り上がるが・・・なんて冗談を言ってほんとになったら困るので止めておく。 
 さて次はどこに行こうかな!

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